2019年 北海道電車紀行。~出発前偏~
出発前のドタバタを書くと、ものすごーく長くなりますのでほとんど割愛。
なので、出発前偏としては、どうして今年の北海道行きは電車にしよう・・・と決めたのかを簡単に。
①今乗らないと、乗ることができなくなる「廃線」が増えている。
(ここで書くこと、数値、画像は、下記URLサイトからの受け売りです。)
https://trafficnews.jp/post/59283
1987年に国鉄から民営化されてJRになる前、国営の時は割と線路が増やされてました。
国営の企業は、赤字だろうがあまりに気にしないという一面があります。
母体が国なので倒産の危機が無いことと、赤字黒字という収支よりも、「地方の人にも当たり前のサービスを提供する」方が重視されている部分があるからです。
が、民営化されると利益が出ない部分は切り捨てていかないと、会社自体が傾いてしまいます。
皆さんも社会科で学んだ通り、石油がエネルギー資源として一般化する前は石炭が主流でした。
そして北海道は割と沢山の炭鉱がありました。
炭鉱が活発だった自体は、炭鉱の近くには栄えた町があり、炭鉱で働く人々やその家族が住む場所であったり、それらの人たちの生活を支える仕事に就く人たちのお店や職場があったりと、沢山の人が住んでいたのです。
沢山の人が炭鉱の周りに居たことで、人の移動や生活必需品を運び込む手段として、炭鉱から採掘した石炭を運ぶ手段として、マイカーをほとんどの大人が持つことは難しい時代だったこと、マイカーをもっても高速道路や路面状況の良い道路があまりなく快適で迅速な移動がマイカーでは難しかったこと・・・等があり、鉄道は重要な交通手段として大変重宝されてました。
恐らく計画では、ほとんどの炭鉱や町を繋ぎ、且つどこからどこに行くにもできるだけ無用な遠回りをしないで済むように計画されていたのではないかと思われます。
下記が、最長4000㎞にも及んだ北海道に敷かれた鉄道の路線図です。
恐らくJRになる寸前にも赤字路線の廃線がいくつかありましたが、その廃線よりも前ではないかと推測します。
次が、現在の北海道の路線図です。
厳密には、夕張市で行き止まりになっている夕張線は、今年の3月いっぱいで廃線になってますし、留萌から8時の方向に延びている増毛駅までの路線も2016年12月5日に廃線になってますので、2016年12月4日現在の路線図となります。
現在は、総距離が約2500㎞だそうです。
ものすごく線路が減ってます。
札幌周辺はまだマシですが、旭川から釧路へ行くルートがほぼ一本。
線路は生きても駅がどんどん消えて行っており、30分間駅が無い(廃駅だらけ)という場所もあります。
そして最後が・・・・・採算の取れない赤字路線と、残すべき重要交通ルートを残した、JR北海道が「民間企業として健全な運営をすることのみを主眼に置いた時の理想の運用路線」の地図になります。
稚内とか、北見~網走、根室とか完全に切り離されている感があります。
まあ、稚内には稚内空港、網走には南に女満別空港、根室にはちょっと遠いですが、中標津空港がありますし、釧路までバスなりで移動すれば電車には一応乗れます。
ここまで減っちゃうことはきっとないと思いますが、これに近い形にまで減ってしまう事は十分に考えられます。
そうなる前に、景色を堪能して写真を撮り、今ある形を記憶しておきたいと思ったわけです。(ここまで長)
②安く旅をする手段があり、それに関してそこそこ詳しくなった事。
単純に言えば、青春18きっぷですね。
具体的には「学校がお休みになる時期」である、夏休み、冬休み、春休みの期間だけ、「普通列車(いわゆる鈍行)」のみ乗り放題になるチケットです。
11850円で5枚セットになっているので、一日2370円相当という事になります。
細かいルールまで書くとどえらいことになるので、詳細はJRのサイトや、青春18きっぷの旅について書かれている詳しいサイトをご参照下さい。
北海道に限れば、「北海道&東日本パス」が一番リーズナブルだと思ってます。
7日間で10850円なので、一日当たり1550円相当。
旅行が5日間のみで2日分無駄にするとしても、東日本&北海道のJRエリアならば青春18きっぷよりもお得という。
2011年のソロツーリングでちょっと疲れてしまい、旭川から稚内への「宗谷岬観光」を電車でできないかなーと、旭川駅(まだ旧駅舎から工事中だった)に立ち寄ったことがあったのですが・・・。
往復のフェリー、高速、燃料と、旅行中の昼食とお土産込々で8万円しか予算を用意してない、札幌にある親戚の家を拠点とした旅行だったので、片道一万円弱とか想定外で驚きました。
距離を考えれば当然の金額なのですが、まだまだ勉強不足だった私には「北海道は特別に電車だが高いに違いない!」と勘違いをしてしまい、しばらく勘違いしたままだった状態から、乗り放題切符の存在を知った為、「あれ、思ったよりも安い?」と再認識したのが大きいところです。
この写真の時ですが、旭川に14時頃到着して、「電車だったら今から出発して17時に旭川に戻れたらいいなぁ。二輪運転ちょっと疲れたし。」とか、鼻で笑ってしまう甘いことを考えてました。
調べてみると、路線距離で約260㎞・・・私の住む宇都宮から北に向かったら、福島通り過ぎて宮城県仙台市まで行けちゃう距離ですね。
尚、現在は鈍行で片道5400円、時間は凡そ7時間前後。(乗り換えタイミング次第)
特急で片道7780円、片道3時間48分。(乗り換えが必要な場合は時間追加。)
③帰路が辛い。
私は、自他ともに認める運転好きです。
どこに行くにも、できるだけ自分で車を出し、限界を迎えるまで自分でハンドルを握るスタンスを取ってきました。
限界を迎えた時には助手席か後ろで休ませていただき、回復したらまたハンドルを取るという勢いです。
電車はもともと好きでしたが、社会人なりたての頃に大きな事故を起こし、その保証の際に対応を誤ったため、入っていた保険では対応不能な賠償金を背負ってしまい、しばらく借金返済生活だったので、「運賃が掛かる電車は極力乗らない」様にしてました。
しかし、その借金も終わってしばらく経っており、今は経済的に安定してきてます。
そして、お盆に車で北海道に行く・・・となると、北海道からフェリーで戻って本州に到着したのち、大渋滞が予想される東北自動車道を上手く使って帰宅しなければなりません。
私の会社は、お盆休みは短くて6日、長くても7日です。
時間をフルに使う為、仕事が終わった日に即出発して、連休初日はいつも徹夜のまま駆け抜けてました。(フェリーで3時間位眠れるので、割となんとかなってました。)
帰りは、連休最終日だと事故で通行止めを食らったり渋滞で予想以上に時間がかかって仕事始めに間に合わないとか、休養不十分で辛い思いをするのは嫌なので、いつも連休最終日一日前の夕方には帰宅できるように計画してます。
なので、帰宅する前日から徹夜で帰宅が始まるように計画してます。
夜に函館の夜景を見て、夜半過ぎのフェリーで青森港へ移動。
朝3時頃から、青森を出発し・・・周りが明るくなる7時前には渋滞の最大ポイントになる宮城県仙台市を通り抜けることを目標に、眠い目こすって運転してきました。
寝ないために仲間と喋り捲ったり、歌流して自棄っぱちに大声熱唱をすることで睡魔を寄せ付けないような頑張りもしたりしました。
が、気が付けば45歳を過ぎ・・・この徹夜と疲労困憊の中、時間と渋滞と体の辛さと闘う帰路が、そろそろつらくなってきたのです。
衰えたなーとわれながら思いますが、歳考えたら仕方ないです。
寧ろよく頑張ってきたなーとも思ってます。
北海道新架線が3年前に開通し、函館までではありますがフェリーの時間に左右されることなく、北の大地に直行できるというのは非常に大きいのです。
飛行機も早くて便利ですが、栃木県には空港が無いので、自宅から移動~搭乗手続きに間に合うように空港到着~搭乗 で、大体5時間位掛かってしまいます。
北海道に行く新幹線は、残念ながら私の住む宇都宮駅には止まってくれないので、一度仙台まで出て、そこで乗り換えが必要になりますが・・・大体3時間半で函館に到着できます。
ただし、函館から札幌まで300㎞近くあるので、札幌に到着してから・・・という定義で考えると、札幌の南の千歳空港まで来た方が楽かもしれませんが、鈍行での電車旅は函館から海沿いを走る函館本線も通りたいルートになるので、今回に限ってはそこが通れなくなる飛行機ルートは選考に際して不利となります。
北海道に行く新幹線が、宇都宮駅も寄ってくれたらいいのですが・・・まあ、ぜいたくは言えません。
開通した北海道新幹線ですが、利用数とか、新幹線の為に新設された新函館北斗駅周辺のパテントがガラガラでちっとも振るわないとか・・・あまり良い話を聞きません。
札幌まで開通するのが2030年だそうですが、それまでに寂れてしまっては困ります。
ここはささやかながら思い切って利用し、少しでもJR北海道に協力をしようと思ったりもしました。
これらが、今年の北海道は電車で行こう! と決めた理由達になります。
多少でも、思い切った決断に至った経緯が伝われば幸いです。
今まで自前の交通機関・・・バイクや車だったものから電車に切り替えることで、良くなったこと、悪くなったことがいろいろ発生しますが、出発前の期待に満ちたお花畑な私の脳内では、「冷静になれば簡単に気が付ける重大な問題点」に気が付くことができず、旅行中に多大なる苦労をしました。
まあこの辺は、順番に語っていきます・・・飛び込んでみなければどんな失敗があるか割らないとはいえ、あまりにお粗末なポカミスに、相当な自己嫌悪に陥ったものです。
4000文字を超えてしまったので、この辺で。
次は、どういうルートを、どんな切符を使って廻ろうとしたか・・・の考察の予定です。