2019年 北海道電車紀行。~8/10編 その2~
そは函館の停車場に在り。
昭和の匂ひ漂う車内で堅いシートに身を沈め、ぢっと発車の時を待つ。
はい、古文漢文が嫌いというだけで高校時代理系を選択したらなっくです。
古文風に書いてみても、「昭和の匂ひ漂う」で、昭和じゃないことが明確すぎて話にならないですね、慣れないことはするものではありません。
函館駅の発車に関しては、正直記憶がありません。
なにせ、タブレット画面ガン見で旅行計画の練り直しをしてましたので。
幸いにして、乗り出しの函館駅は、乗り放題フリー切符である「北海道パス」で入場してますので問題なかったですが。
自動改札すら旭川までしか存在しないか北海道ではSUICAとかは使えませんので、改札を通る前に切符を購入しないといけません。
切符を購入するという事は、購入する時点でどこまで行くか明確にしておく必要があります。
まあ、あと精算できますので、乗り越しならば追加料金を支払えばいいだけなので、最悪入場券や隣の駅までの安い切符で入場してあと精算すればよいのですが。
乗り換え計画が明確ではない今、あと精算をする余裕が与えられない厳しい乗り換えが発生することもあると考えると、可能であればそれは避けるべきと思うのです。
私は基本臆病なので、旅行等は「大失敗」を可能な限り避けるため、割と綿密に計画を立てます・・・性格がガサツな割には。
今回のような大きな旅行は早いと一年、最低でも半年前には発案し、骨子を立てて計画を立案します。
立案した計画は絶対に改良の余地があるので、2~3か月かけていろいろ調べたり、暇な時間に思案に暮れることでより良い形へ改良していき、ある程度納得がいくレベルに落とし込んでから実行をするようにしてます。
・・・ていうか、そこまでしないと大金や貴重な長期休暇をつぶしてまで行く旅行なので、怖くて実行できないのですよ。
ですが、今回は今、タブレット相手に格闘して立案する計画、これで実行していくしかありません。
しかも、11:18には長万部に到着してしまうので、3時間弱というタイムリミットも存在します。
非常に条件が厳しい!
・・・思案に暮れて頭をかいて窓の外の景色を見て・・・硬直。
函館を出て、七飯を通り過ぎ、ちょうど駒ヶ岳が終わって海が見え始めるあたりの、とても「イイ!」景色が目に飛び込んできました。
数秒高直後、森駅に到着。
ここで、20分ほど「下り列車とのすれ違いの為に停車」するそうです。
残念ながら曇ってましたが、それでもいい景色でした。
昭和40年代生まれの心の奥底をくすぐる田舎路線の景色は、北海道を一年で最も綺麗にに魅せる夏という「最高の化粧」を以て眼前に展開されていて。
森駅に到着するまで、写真を撮ることを忘れてました。
時間がたっぷりあるので、改札を出てみました。
ここは乗り放題切符の強みですね。
どこで降りてもいいし、どこからでも乗れる。
一般切符の場合は基本無理だそうです。
トイレのない汽車もあるので、貴重なトイレ休憩でもある「特急とのすれ違い待ち停車」中にはホームからトイレに行けない・・・改札を通らないとだめな駅もありました。
そういう時は普通の切符の人はどうするんだろう・・・まあ、駅員さんが許可を出すんだろうなぁ・・・と勝手に想像してました。
イカが食えたらおいしそうですが、私はアレルギー持ちなので諦めました。
近くのセブンイレブンまで行っていたら、割と汽車の発車時間にきわどい時間となりました。
どうやって潰そうかと考えていた停車時間でしたが、割とあっという間でしたね。
そして汽車は定刻にて、森駅から発車しました。
八雲町は、札幌の親戚である叔母さんの旦那の実家があります。
幼少のころ、一度だけ連れて行ってもらったことがあるそうですが、まったく記憶なし。
冠婚葬祭でも私個人は縁を持つことはなかったので、まあ・・・実質他人ですよね。
長万部駅に降り立ちました。
写真ばっかり取っているようですが、一応この先どうするかを決めてあります。
長万部駅到着が、11:18。
北海道パスをフルに生かすためには、ここ長万部駅を次に出る鈍行・・・15:26に乗ることが必要です。
が、乗り換えになんと4時間8分も空いてしまいます。
なので、その1にも時刻表写真を載せた、11:33に長万部駅を出発する「スーパーカムイ」という有料特急に、東室蘭駅まで乗ります。
乗り換える特急が長万部駅を出るまで、15分。
私にはこの間にやらないといけないことが発生してます。
今現在、長万部までは「北海道パス」という乗り放題フリー切符で改札をくぐって、ここまでてます。
この切符は、特急に乗る権利を有さず、乗るときは乗車券にもなりえないため、乗車券と特急券を買わないといけません。
乗車券を別に買うということは、フリー切符で改札を一度出て上記の切符を購入し、買ったばかりの乗車券で改札を通って特急に乗らないといけません。
その為には跨線橋を超えて駅舎に向かわないといけないのです。
(有料特急は駅舎から一番近いホームにつきますが、鈍行は割と駅舎から遠いホームに到着することが多いです。)
・・・・・30㎏を超えるスーツケースを持って。(白目)
今までの駅は、エレベーターやエスカレーターがありました。
・・・が、上記写真で推測つくと思いますが、長万部駅にそんなものはありません。
私の体が何ともないならば、頑張れば普通に何とかなったのでしょうけど。
右ひざは外側の半月板を失っており、割と常時調子が悪く。
左肩は、鎖骨を固定する靭帯を欠損しており、人口靭帯が入っていて、こっちも割と常時調子が悪いです。
右手で持てば膝がつらく、左手で持てば肩が抜けそうになる。
先の日記で書いた、【この旅での失敗 その1】
・・・というやつです。
結論としてどうしたかというと・・・ホームに人がほとんどいないことを確認したので、跨線橋に上がったところの端っこにスーツケースを放置。
身軽になって有人改札を通って特急に乗るための切符を購入。
さっと駅舎の写真を撮ってから、購入した乗車券で改札を通過して跨線橋を上り。
置きっぱなしにしたスーツケースを抱えて、割と命がけで階段を降りて特急を待ちました。
この先、いくつの跨線橋を上り下りしないといけないのだろう・・・嗚呼、楽しみだなぁ。(震え声)
そしてやってきた特急カムイ。
実は割と時間ぎりぎりだったので、特急入線の写真は撮れてません。
特急に乗ってから知った事実が3つほど。
①特急のほうが停車時間が短い。
これは驚きました。
まず、車内放送から驚愕です。
停車駅が近づくと・・・。
「JR北海道をご利用いただきありがとうございます。次は東室蘭に止まります。」
ここまでは自然だし馴染みのある言い回しで安心できますが・・・。
「停車時間はわずかです。」
・・・は?
「お降りになる方は、お忘れ物の内容に準備をお願いいたします。」
乗り降りする人が多い場合は相応に時間取りますが・・・2~3人の乗り降りだと、本当に10秒も掛からないでドアが閉まってました。
さすが特急、時間最優先ですね!(混乱)
②割と車内で切符や改札関連はどうにかなる。
乗り換えタイミングが元々シビアだったり、鹿や熊で電車が遅くなったりすることもあり、改札をくぐって特急のチケットを買うことが間に合わない場合、割とそのまま次の汽車に乗って、車内で車掌さんに清算してもらうことが出来ます。
自動改札が当たり前の本州に住んでいる私にとっては、車内で車掌さんに清算してもらうというのは非常手段というか、本当にどうしようもない時には仕方ないが、できることならば自分で何とか正規の切符を手に入れてお世話にならないようにすることが当たり前という固定概念がありました。
しかし、上記のように切符や改札の時間がやむを得ず取れない場合もありますし、何より北海道は大きな駅以外は改札は人力、下手をするとワンマン運転で降りるときに清算をする、路線バスと同じシステムをとっていることが殆どです。
なので、人の手で切符を発行し、人の手で改札するのが普通なので、車内での車掌さんに切符を発行してもらうのはそれほど珍しい手段ではないように感じました。
故に、非常につらい思いをして跨線橋の上までスーツケースを運んで改札に向かう「絶対的必要」はなかったことが発覚しました。
でも、現金温存と出費分散の為に、特急券は極力クレジットカードを使用するつもりでした。
車内で車掌さんに発券してもらうときは現金しか対応してませんので、この部分に関しては、長万部駅の改札を通ったことは正解だと思ってます。
③特急の車内放送は、日本語→英語→中国語(多分)の3つが流れる。
割とカルチャーショックでした。
そして、それが必要故に用意され、かつ有効であることが納得できるほどに
駅や観光地で「一見日本人っぽいけど、日本語じゃない言葉を話している観光客」が多かったです。
片言の日本語で質問をされ、いくつか答えたり案内をした事も、この旅では体験してます。
幸い、不快な思いをしたことはないです。
今でこそ行儀がよく、どこの国でも割と歓迎される私たち日本人だって、高度成長期でやっと海外旅行に行けるようになった時代には、各地で無礼を働き、嫌われていたこともあったのです。
人は成長するんだなぁ・・・と、「お前、何様?」的な態度でしみじみと思ってしまいました。
文字数が5000文字近いですが、それ以上に写真が多くて大変重たいページになりつつあるので、今回はこの辺で。
なお、リアルタイムにこんなニュースが出てました。
https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/08/page_14790.html
やっぱりみんな困っているんですね。
きっと私も困るんだろうなぁ・・・と思って調べましたが、今回持って行ったスーツケース、ぎりぎり無料かつ事前申請がいらないサイズぎりぎりでした。
もっとでかいスーツケースを持参していた人は今後困るのでしょうね。