2019年 北海道電車紀行。~8/10編 その3~
長万部駅に到着し、次の鈍行を待つと4時間以上待たされてしまう為、東室蘭駅まで特急を使用することにした私。
特急の駅でカウントすると駅3つですが、距離にして77.2㎞もあり、鈍行だと駅は間に14個も存在するので東室蘭は15個目の駅となります。
鈍行では時間も一時間20分ほどかかるようです。
これを、洞爺→伊達紋別→東室蘭 の3駅で駆け抜けるのが、今回私が乗った特急です。
時間も凡そ50分。
鈍行との差は30分しかありませんが、貴重な北海道滞在時間の内、4時間を長万部駅滞在でつぶさなければいけないことを考えると、計り知れない効率化が見込める一手です。
代わりに、合計で2580円が飛んでいったわけですが orz
さて、50分ほどの特急ですが。
早いには早いのですけれども・・・鈍行だと感じなかった振動がすごい!
「鈍行専用路線で頑張って速度だけあげてみました!」
・・・的な、上下左右への揺さぶりと割とにぎやかな騒音。
シートは快適でしたが、乗り心地は微妙の一言。
JR北海道全体が大赤字で、メンテナンスの質を落として維持費を下げているおかげなのでしょうか・・・と、思わず穿った目線で見てしまうレベル。
それでも、ちゃんと進行方向を向いて座れ、リクライニングもできずシートは快適。
ここで30分ほど居眠りをしました。
そして東室蘭に到着。
到着予定は12:22でしたが、東室蘭のアナウンスを聞いて目を覚まし、準備をしてデッキでドアが開くのを待ちながら時計を見た時の時間は、12:25でした。
上記の地図を見ていただくと分かりますが、室蘭本線で長万部から札幌方面に向かうルートでは、東室蘭駅を通過します。
室蘭駅は、東室蘭から分岐した「室蘭支線」という線路沿いの終点にあります。
室蘭駅に向かうには、東室蘭駅で特急を降りて室蘭行の各駅停車に乗る必要があります。
12:25で東室蘭駅に降り立った私ですが、何本もあるホームの「4つ向こう」に、車内でも案愛があった「室蘭行」の乗り換え汽車が見えてました。
乗り換え汽車の発車は、12:28。
乗り遅れると、次の室蘭行の電車は一時間後になりますので、室蘭観光が相当せわしなくなるか、今日中に名寄に戻れなくなるかのどちらかになります。
仕方がないので、重たい荷物抱えてダッシュです。
跨線橋の階段を登り切っただけで、もう汗だくです。
リュックからタオルを引っ張り出し、首にかけて改札に走る!
改札に居た駅員のお姉さんが、事情を察したのか・・・。
「特急からの乗り換えでしたら、乗り換え電車の中で切符をどうぞ!」
おお・・・貴女が女神か?
決して美人さんでもなく、スリムでもなく、スタイルがいい訳でもなかったですが、そのお姿は輝いて見えました。
軽く会釈し、改札の前を通過して、室蘭行の乗り換え汽車が待つホームへ走る私。
重たいスーツケースを抱えて跨線橋を超えるとき、真に気を遣うは下りです。
一段降りるときの荷物の勢いを上手く殺さないと、右ひざや左肩に激痛が走るのです。
私がココで転んだ時、荷物が転がっていく方向に他の人が居たら、まぢ大怪我で済めば御の字レベルの事故になりかねません。
大汗をかきながら、気を使いながら、肩と膝をかばいながら・・・何とか汽車に乗り込むことができました。
ワンマンでしたので、発車前に運転手さんに切符のかくにんと説明を済ませました。
「長万部からここまで特急できて、この2枚が切符です。この汽車には北海道パスで乗ります。」
「・・・・はい、確認しました。」
乗り換えがしんどいですが、改札を通らないで次の汽車に乗っても全く問題がないこの雰囲気、悪くないですね。
ただ、長万部で頑張って改札行ったときにも説明しましたが、現金確保とクレジットカードのポイント貯めの為、特急の切符などは出来るだけクレジットカードで買いたいと思ってますが、駅の中では現金でしか切符を買えません。
今回のように、特急→鈍行 の乗り換えの時は問題ないですが、逆の場合は現金で特急の切符を買わないといけなくなるので気を付けたい所。
この汽車は終点の室蘭までは行かず、一つ手前の母恋で降ります。
駅名がとてもマザコンちっくです。(違)
も一回地図貼りますか。
北海道に着て一番最初の観光名所の、地球岬を目指すために途中下車です。
母恋駅から地球岬までは3㎞ほど。
充分歩いていける距離です。
ただ、私には30㎏のスーツケースがあり、右膝が良くない状態であり、あまり時間をかけると今日の宿がある町、名寄までたどり着けないので・・・仕方なくタクシーを使いました。
通常ならば、大荷物があっても母恋駅に常駐しているおばさんが荷物を預かってくれるのだそうです。
ですが、この日は13時までしかおばさんが駅に居られないそうなので無理でした。
普通は夕方まで居られるそうですが、駅の構内で民謡披露宴みたいなイベントが開催されるらしく、その実行委員会の人が駅の番を代行するという事で早上がりなのだそうです。
おばさんといろいろ話をした結果、おばさんがイベントの実行委員会の取りまとめをする人に話を通してくれて、その人がスーツケースを預かってくれることになりました。
・・・といっても、イベント中に入口から一番遠い場所の端っこに置きっぱなしにするだけですが。
まあ、簡単に持って歩ける重さと大きさではないので大丈夫でしょう。
タクシーから見る地球岬への道は、歩道が整備されていて歩きやすそうでしたが、いかんせん傾斜がきつい。
自分でまともに歩いたら、途中でギブアップし、タクシーを探すも見つからない・・・電話で呼び出して結局利用し、お金もかかって時間も無駄に消費という越智になりかねない辛さを感じました。
場所によっては、隣の家の2階と玄関が同じ高さになるレベルの傾斜が家10軒分くらい続く場所もあり・・・。
民家が消えてからは完全に山道で、最後は私の地元、日光いろは坂もいい勝負の見事な峠道になってました。
タクシー利用の片道は1080円で、クレジットカードは使用できませんでした。
そんなこんなで、地球岬の入り口・・・駐車場へ到着です。
駐車場は、多くても30台くらいしか車を止められないスペースになっていて、誘導員まで配置されてましたが、恐らく今日は駐車場が一杯になることはないんじゃないかというレベルの客足でした。
話しかけてみると・・・。
「天気だね。 天気が良かったら山の入り口から車の渋滞になるんだよ。」
なるほど、予想どおりでした。
駐車場周りの景色です。
お土産屋さんは3軒だけでした。
真ん中はお休みですね。
右側が雑貨のお土産屋さんですが、店内はストーブが付いていて暑かったです。
確か気温は20度くらいだったかと。
室蘭の地図案内です。
駐車場から階段を一つ上ると、地球儀模型と公衆トイレがあります。
公衆トイレの前から駐車場の方を向いたところに看板がありました。
Wifiが利用できるようですね。
上の写真の灯台への入り口です。
残念ながら観光施設ではないようで、立ち入り禁止でした。
地形としては、函館山のところと同じような感じですね。
海にせり出している岬部分が、割と高い山になっている感じです。
函館山とかは、天然の要塞になっていて重要な軍事基地になっていたのか、民間に開放されたのは太平洋戦争が終わって数年経ってからというすごい場所です。
(戦中は、函館山の話をしたり、スケッチを取ることは、憲兵にしょっ引かれるレベルの重罪だった模様。)
詳しく調べてませんので推測ですが、ここも見晴らしがよくて、何も立てなくても自然の展望台になってますから、戦中は何かに利用していたのかもしれません。
地球の丸さを感じることができる見晴らしということで地球岬というそうですが、千葉の犬吠埼といい勝負でした。
何度も北海道に来ているのに室蘭に来たのは初めてだったので、実に良い観光ができたものと満足しております。
時間も押しているので、帰ろうと思ったところで先ほどのタクシーのレシートから電話番号を見て、タクシーの手配をします。
10分前後かかるとのことなので、駐車場に戻り、嫁にお土産の絵葉書を買ってタクシーを待ちます。
すると駐車場の出口にこんなものが・・・。
タクシーが来ましたので載せていただき、行き先は荷物回収の為に母恋駅を指定。
母恋駅では、民謡イベント絶賛開催中で、身振り手振りで荷物を受け取り、再びタクシーへ。
ただ東室蘭に帰るだけならばここで電車を待てばよいですが、室蘭支線の終点である室蘭も敢行するつもりだったので、このタクシーで室蘭駅まで運んでもらいます。
室蘭行の電車に乗ることも想定しましたが、電車が来るまで45分ある事と、室蘭駅での折り返しが僅か7分で、室蘭駅周辺の観光が十分にできなさそうなこと、お昼御飯がまだでできればコンビニ飯以外にしたいと思っていたことなどから、室蘭駅まで運んでもらい、そこで遅めのお昼にすることを画策しました。
大した渋滞もないまま室蘭駅へ。
地形的なものでしょうか、アップダウンの坂道がすごく、この辺で生まれ育ったらさぞや足腰が丈夫になるだろうなぁ・・・とくだらないことを考えてました。
横浜とか横須賀、長崎に通じるものがある市街地の地形でしたね。
そして室蘭駅に到着。
駅のすぐ向かいにまあまあ食える回転すしがあると、運転手さんに聞いたのでそこを利用することにしました。
北海道で回転すしというのも、なんかもったいないように見えるかもしれませんが。
これが驚くなかれ、割とクォリティ高いのです。
有名どころだと、トリトン。
私は、とっぴー が好きです。
100円で流れてくるネギトロやサーモンが、めっさ美味しいのです。
タクシー運転手といえば、外食ばかりで旨いお店を知っていると思われている職業の一つですね。
慣れない土地で御飯屋さんを探すとき、駐車場にタクシーが止まっていると、割と安心しては居ることができます。
そんな運転手さんからの「まあまあ食える」という一言。
ちょっと期待して入ってみました。
混んでましたが、時間は既に一時半を回っていて、お昼の混雑は今居る人達で最後という感じでしょうか。
一人だったので、カウンターは空いてました故、待たずに座れました。
お茶を持ってきてくれたお姉さんが急に。
「清水君、新しいお客さんです、よろしくお願いいたしますね?」
・・・と、カウンター内の板前のお兄さんに声を掛けます。
角刈りをビシッと決めた、元気そうなお兄さんがこちらを向いて。
「わかりました! 私、清水と申します。ご注文がありましたらお気軽にお声かけ下さい!」
こちらに向かって一礼を頂きました。
おうふ、なんという接客!
ちょっと面喰いましたが、名前も聞いて挨拶を頂いたので、注文しやすかったです。
そして、肝心のお寿司ですが。
いやぁ、大満足でした。
写真を撮ってないものもありますし鮪の中落ちとサーモンは2皿づつ頼んだ記憶があります。
12皿ほど食べ、合計で3000円でお釣りがくるくらいでした。
本州だと、港町や港の中にあるお店とかじゃないと食えないようなクォリティが、全国チェーン店の2倍くらいのお値段で食べられる・・・幸せすぎる。
でも、ここに住んだらあんまり来ないんだろうなぁ・・・と思いつつお店を後にしました。
あっという間に5000文字なので、続きは次に。